2-02 社長の仕事
社長にしかできない重要な仕事を選択し、
スケジュール化しましょう。
あなたは自分の時間を自分できちんとコントロールできていますか? 他人の都合に合わせて、あるいは自分の個人的な都合で、予定やアポイントを変更してばかりいませんか?
会社には社長にしかできない重要な仕事があります。それなのに、社長が社員や外部の人の都合に合わせて予定を変更したり、社員と同じ仕事ばかりをしていては、会社の方向性がブレたり、成長が鈍化してしまうかもしれません。社長のデフォルト(標準)スケジュールを作成することは、会社の時間を効率化するための第一歩です。
例えば、会社を大型客船に例えると、社長は船長です。船長の一番の仕事は、天候や航路に問題がないかを確認しながら操縦士や機関士に適切な指示を出して船全体のスタッフを指揮し、安全で安定した航海を維持することです。そのために、船の進路を司るブリッジ(操舵室)にいる時間が多くなります。もしも船長が、ブリッジではなくて船内の客室や食堂、娯楽室にこもってばかりいたら、進路を間違えて船は座礁してしまうかもしれません。
そうならないために、会社の進むべき方向や会社の目標を考える時間を決めましょう。「そのうち、仕事に余裕ができたらやろう」と思っていると、いつまでたっても実行できません。
今の会社の問題点を考えて、自分にしかできない役割は何かをリストアップする。自分が今やるべき作業は何かを選別する。そのために、1人で考える自分(会社)のための時間を毎週のデフォルトとして設定しましょう。
また、自分や会社の生産性をより上げるために、どの仕事をどの曜日のどの時間帯に行うのが良いかを考えましょう。例えば、会議やミーティング、アポイントは行動しやすい週の初め、頭の働きの良い午前中にすませ、午後は目の前の仕事に集中させる。普段接点のない社員とランチライムにコミュニケーションを図るなどなど……。
顧客のクレーム処理、請求書の発行、稟議書の決裁など目の前にあるすぐにやらなければならないワークイン(進行中の仕事)と、社員教育や設備投資など会社の将来のことを考えるワークオン(将来のための仕事)のバランスをとることが大切です。デフォルトスケジュールを作る中で、このバランスを明確にします。
実は、売上の上がっていない社長ほど、ワークインの割合が多くなる傾向があります。仮に9割をワークインに費やしているなら、3カ月後にこれを8割にするように目標を立て、デフォルトスケジュールを作り直しましょう。
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