1-04 紹介を活用する
広告・電話営業・DMを使わない「紹介」は、
コストをかけずに新規顧客を増やせます。
会社にとっては、テレビやラジオ、ネットなどの広告宣伝・コールドコール(新規の相手への電話営業)・ダイレクトメール(DM)、チラシのポスティングなどのセールスプロモーションを使って新規顧客、見込客を増やす取り組みが一番手間がかかる、つまり営業コストのかかる部分です。しかし、誰かに誰かを紹介してもらうリファーラル(紹介)は、お金のかかる広告宣伝・電話営業・DMなどを使わないので、あまりコストをかけることなく新規顧客や見込客を増やせる最も効果的なワザなのです。
基本的に、あなたの会社の商品のことをよく知っている人が「この人ならきっと顧客になってくれるだろう」という人を紹介しれくれるのですから、あなたの会社の商品のことをまだよく知らない新規顧客、見込客よりも、かなり成約率は高くなります。しかも、知り合いに紹介してもらったという意識があるので、紹介されたお客様も一度だけではやめにくいので、継続する確率も通常より高くなります。
もちろん、ここで見込客をリファーラルしてくれる人は、既存のお客様だけではありません。業務提携している会社や関連業務をお願いしている協力会社、あなたや社員の友人、知人、友人の友人も含まれます。それぞれの紹介者に、あなたの会社の商品を「もっとリファーラルしたい」と思ってもらえるようなインセンティブ(誘因=その人のやる気や意欲を引き出す外からの刺激)は何かを考えてみましょう。
例えば、新しいお客様を1人紹介すると「3000円引きになります」「3000ポイントがもらえます」「会費が1カ月無料になります」といったインセンティブは、ネットやチラシ、近所のお店の張り紙でも見かけることがあります。
こうしたリファーラルによるインセンティブは、既存のお客様にアプローチする良いきっかけになります。大切なポイントは、リファーラルを通して、既存のお客様に日頃の感謝を伝えることです。「いつもありがとうございます!日頃の感謝として、今、お友だちをご紹介いただくと…」
まずは今のお客様や業務上のパートナーについてもっとよく知り、その方々があなたの会社の商品を、どうすれば「もっとリファーラルしたい」と思ってくれるかを検討してみましょう。
そのうえで、それぞれの紹介者の方に向けたリファーラルをお願いする資料を作成します。次に、実施スケジュールを作成し、今回の具体的な数値目標、誰が何をいつまでにどのように行い、誰がいつどのように評価するかを決めておきます。実施後は、きちんと効果を測定し、より効果的なリファーラルになるように、見直しをしましょう。
やるべきタスク
1. 紹介者へのインセンティブを決める。
2. 紹介者への各種資料を作成する。
3. 具体的な数値目標、報告体制(担当設置)を決める。
1-03 営業マニュアル
最も効果的に成約率を上げるワザが、営業スクリプトの使用です。
売上を上げる方法にはいろいろなワザがあります。そのうちの1つ、最も効果的に成約率を上げるワザがこの営業スクリプト(営業のための台本・手順・マニュアル)の使用です。営業に必要なスクリプトを作成して社内で共有するだけなので、あまりコストがかかりません。何より、社内の営業スキルの向上のために、すぐに取り組めるアクションです。
例えば、あなたの会社に10 人の営業担当者がいたとします。当然ですが、それぞれの売上成果にはかなりの個人差が出るはずです。100 件訪問して10 件の契約をとる営業担当者もいれば、100 件訪問して1件しか契約のとれない営業担当者もいます。
では、100 件訪問して10 件の契約をとる営業担当者は、一体どんな営業を行っているのでしょうか? そのやり方を会社全体の営業スクリプトとして使えれば、もっと営業の成果が出ると思いませんか? この営業スクリプトを作る方法には、いろいろなやり方があります・
例えば、優秀な営業担当者に同行して、その営業の手順、会話の特徴などをメモして列挙してみましょう。100 件訪問して1件しか契約のとれない営業担当者のやり方も同じようにスクリプトにして2つを比較すれば、どこが違うか、優秀な営業担当者はどのような手順で初回の訪問から契約につなげているのかがよくわかるはずです。そのポイントになる点をまとめて、手本となる営業スクリプトを作成します。
次にその草案スクリプトを他の社員にも適応できるように、できそうなことから優先順位を決めます。そうやって社員教育用の資料を作成します。
社員教育用資料が完成したら、関係者で実際に社内研修を実施します。その際には、その優秀な営業担当者のやり方をビデオに録画して、みんなでその良い点を見つけて話し合うのも良いでしょう。また、いくつかのケースをあげて各社員にデモンストレーションを行ってもらいながら、グループで改善点を話し合うのも効果的かもしれません。
こうした営業スクリプトの活用、社員教育の実施によって、100 件訪問して1件しか契約のとれなかった営業担当者が、100 件訪問して5件の契約がとれるようになれば、成約率は5倍になります。しかも、営業担当者全員で取り組めば全体の営業スキルも上がるし、今いる社内スタッフだけで行えることなので固定費に影響しません。あなたの会社には営業スクリプトはありますか? ない、あるいはもっと改善したいと思ったら、会社全体ですぐに取り組みましょう。
やるべきタスク
1. 発生しそうなスクリプトを列挙し、優先度を決める。
2. 草案スクリプトと社員教育資料を作成する。
3. 社員教育を実施。今後の新人向けのために録画する。
4. 定期的にスクリプト実施状況を確認する。
5. 各スクリプトに対してステップ1-4を繰り返す。
1-02 常連客用プログラム
メンバーシッププログラムは即効性が高いので、
売上拡大のかなり効果の高いワザです。
あなたの会社では、常連客用の「メンバーシッププログラム」いわゆるVIPカードを導入していますか?
値上げに比べると少し手間はかかりますが、常連客の来店頻度や購入回数、つまり、リピート率を上げるメンバーシッププログラムの導入は、新規開拓に比べると、さほどコストはかからないし、即効性があるので、売上拡大のためのかなり効果の高いワザです。
本来、お客様には、
①まだあなたの商品(サービス)を知らないお客様、
②あなたの商品を知ってはいるけど試したことのないお客様、
③あなたの商品を1度は試したことのあるお客様、
④リピート2回目のお客様、
⑤何度もリピートしてくださっているお客様、
⑥何度もリピートしてくださっていて周囲にあなたの商品を積極的にすすめてくださっているお客様など、いろいろなお客様がいらっしゃいます。
言うまでもありませんが、あなたの商品をまだ知らない、知っているけど試したことがない、あるいは1回しか試したことのないお客様よりも、あなたの商品をよく知っていて、すでに何度か利用してくださっているお客様のほうが、さらにリピートしてもらいやすいはずです。そうした2回目以上のお客様を対象に、さらに常連になっていただけるようにするのが常連客用メンバーシッププログラム、VIPカードの目的です。
まずは常連のお客様にリピート回数を増やしていただけるように、メンバーシッププログラム、VIPカードに参加することで得られるお客様にとってもうれしいインセンティブ(誘因=その人のやる気や意欲を引き出す外からの刺激)、サービス、特典を検討します。このインセンテイブには、あなたの会社内だけでなく、提携先の会社でもポイントが付加されたり、そのポイン卜によって利用できる特典があれば、お客様にとってはより便利で魅力的なカードになるはずです。そのうえで、常連客のインセンティブを明確に定義しておきましょう。
常連客のインセンティブが明確になったら、何を特典にするか、カードの形態、実際に常連客の皆様に配布するメンバーシップキット(申込書、カード、利用規約など)を設計します。お客様がVIPだとより強く感じられるほど、リピート率が高くなります。
やるべきタスク
1. 会員申込用紙の質問集を設計する。
2. 会員申込用紙を作成する。
3. 受付のためのスクリプト作成、受付開始。
4. 常連客に貢献できる提携先の会社を検討する。
5. 提携先候補者に連絡するための提携資料草案を作成する。
6. 提携実施。
7. 常連客のインセンティブを定義する。
8. データベース、カード本体、割引券などの準備をする。
9. メンバーシップキット設計。
10. メンバーシップキット配布。
11. 申込書管理、KPI管理、定期連絡、常連客インセンティブなどをシステム化(担当設置)する。
1-01 値上げを実施する
特別なコストをかけずにすぐに実行できて、
すぐに売上増を実現できる最も効果的なワザが値上げです。
「値上げだって?今のマーケット状況では無理だよ」と、あなたは頭から思い込んでいませんか?
しかし、コロナ禍を脱して景気は回復傾向にあり、消費者物価が緩やかに上昇し、人件費や仕入コストも年々増えていくことが見込まれているこの時期だからこそ、経営者としてのあなたは、会社をしっかりと成長させるために、できるだけ迅速に売上を伸ばして会社の利益率を上げることを真剣に検討する必要があります。
実際のところ、あなたは、5%の値上げをするだけで、結果として会社の利益がどれだけ増えるかをご存知でしょうか?
例えば、売上9億円で利益率8%の内装業者の年間の利益は約7200万円です。この会社が5%の値上げを実施できたら、売上は9億4500万円になります。総費用は売上9億円のときとほぼ同じ8億2800万円だとすると、利益は約1億1700万円、7200万円のときよりも約162.5%も増えるのです。
仮に、この内装業者が、取引先のマンション管理会社に今まで100万円の見積書と請求書を出していたとします。そして今回、人件費や仕入れコストの上昇を理由に、次回から105万円に値上げすることをお願いするのは非現実的ではありません。物価上昇の兆しが強くなっている昨今、十分に妥当な値上げです。同じように、新規顧客を含めた他の取引先にも5%の値上げを実施できれば、会社の経営は劇的に良くなります。
この場合の一番の問題は、「値上げすると注文が減って売上が減るのではないか?」「値上げを言い出すとお客様から反発されるかもしれない」という、何となくの不安、違和感、抵抗感を持っているあなたや社員のマインドではないでしょうか?
値上げを成功させるカギは、「うちの商品やサービスなら、〇%の値上げは可能だ」という意識をあなたや社員が共有できるかどうかです。そのためには、最近のマーケット状況や直近3期分の損益計算書(P/L)の状況を分析して、自分の会社はどれぐらい値上げできるかをきちんと数字で把握することです。
そして、その計算に基づいた具体的な数字を示しながら、関係する社員に値上げの意図と目的、その効果を理解してもらうことが大切です。
売上を上げて利益が増えればどういうメリットがあるのか、まずは役員、マネージャー間で共有しましょう。次に値上げ実施までに必要なことをリストにして、スケジュール化します。もちろん、リストとスケジュールは全員で共有しましょう。
やるべきタスク
1. 直近3期分のP/Lを分析する。
2. タスクに関連する社員に値上げの意図を伝え、理解を得る。
3. 〇%の値上げを実施する。
4. 月次決算し、P/Lへの影響を測定する。
多くのフランチャイズモデルが、
多くのフランチャイズモデルが、
今日パンデミック前よりも経済状況が悪化しています。
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