4-12 グループコーチを行う
双方向コミュニケーションのグループコーチングなら、
お互いの理解や共通意識、自主性も深まります。
会議や講義では、なかなか一般社員の意見が出ないし、上の人の意見で結論が決まりがちです。そういう場合、双方向コミュニケーションのグループコーチングなら、社員同士の意見を活発に出し合うことができるし、情報やアイデアの共有、社員間の意見もまとまりやすくなります。グループコーチングでは最初に課題の提起をし、今回の目標を設定します。次にグループ内で課題に対してブレーンストーミングを行い、自由に意見交換してもらいます。その後、全員に考えた解決策を付せんなどに書いてもらいます。その解決策をホワイトボードに貼って、書いた人に順番に意見を述べてもらいます。それから、解決策をグループに整理し、それに対する各自の意見を聞き、最後に全員の合意で解決案を決定していきます。
グループコーチングは、進行役のコーチ1人に対して、意見が出しやすく、話しやすい6~12名程度のグループで実施します。グループで意見を出し合い、他の人の意見をじっくりと聴くことで、面白いアイデアが浮かんだり、1人では気づかなかった新しい発見が得られることがあります。何より、他の参加者からフィードバックを受けることでお互いの理解や共通意識、自主性も深まります。
4-11 キャリアパス制度を作る
キャリアシートを使って、
スキルアップ計画や資格取得目標を立てましょう。
社員が、どのようにキャリア(職歴)を身につけて昇進・昇格していくことができるのかが明確になるように、社内キャリアパス制度を設けましょう。どのような仕事をどれくらいの期間経験し、どの程度の能力が身につくと、どのようなポストに就けるのかといったキャリアアップのロードマップを制定することで、社員は今の自分のキャリアステージを見直すことができ、これからどのようなスキルや専門性を身につけるべきかが明らかになります。
モチベーションの向上につながるだけでなく、その仕事を続けることで自分の将来像が見えるようになります。「何のために今の仕事に取り組んでいるのか」が理解できれば、難しい状況にあっても、長期の目的意識を持って日々の仕事に取り組むことができます。
できれば、目と言葉でわかるように、社員ごとにキャリアパス制度に照らし合わせたキャリアシートを作成しましょう。最初に、自分の業務評価と現在のキャリアステージの確認を行います。次に3~5年後のキャリアの目標を制定します。できたら、今後1年間のスキルアップ計画や資格取得目標、研修計画を立てます。半年後と1年後、このキャリアシートを使って、実績と照らし合わせて見直します。
4-10 マネージャーを育成する
ActionCOACHでは実践的なワークを通して、
マネージャーの意識改革を行います。
マネージャーは、一般社員のビジネススキルに加えて、管理職としての能力を身につけて、会社の中核となってプレイする重要なポジションです。自分やチームの仕事を管理し、部下を育成・評価し、リーダーシップを発揮しながら組織をまとめて会社の成長へと導きます。そのためには、管理職に必須のスキルや知識を学ぶだけでなく、組織の代表としての強いビジョンやリーダー意識が求められます。
会社は、マネージャーがチームのメンバーや上司、部下にはさまれて挫折することのないように、多角的なビジョンを育てる教育プログラムを提供することでサポートします。あなたの会社のマネージャーにはどういうスキル、知識、資格が必要かを規定して、時間をかけて段階的に学べるように教育プログラムを作成しましょう。
ActionCOACHでは、ドリームチャートや90日間計画表の作成、いくつかの実践的なワークを通して、マネージャーとしての意識改革を行います。単に部下を管理するだけでなく、部下のやる気をあげて成果を出すコミュニケーション力を身に付けるグループディスカッションやワークをすることで、マネージャーとしてのスキルと意識を身体で覚えていきます。
4-09 社員をスキルアップする
社員のスキルアッププログラムを
システム化していますか?
あなたの会社は、社員それぞれに適したスキルアッププログラムを作成していますか?新入社員なら、社会人としての基本的な知識やマナー、組織人としての仕事の進め方、相手に伝えることを意識したビジネス文書の作成の仕方と基本的な文章スキル、報告・連絡・相談といった上司や同僚とのコミュニケーションスキル、日常の仕事で必要な判断力や思考力、ビジネスに必要なExcelやWordといったパソコンの基本操作を修得する。正社員なら、さらに自分のKPIを作成することができる。PowerPointでの資料作成とプレゼンテーションができるようになるなど、それぞれに必要なスキルを学ぶためのプロセスを一覧にしてビデオにしておきましょう。
一度ビデオ化して学ぶ優先順位を決めておけば、次からはそのビデオを順番に見ることで新入社員も社員も自習することができます。ビデオを見て気づいたことや感じたことをレポートとして報告させる制度や、習熟度をチェックするテストを実施する制度を設ければ、学習のモチベーションにもつながります。入社半年でレベル1~5までをクリアすること、1年以内に6~10までをクリアすること、と目標を設定し、インセンティブとなる褒賞を導入するのも効果的です。
4-08 社員の目標を設定する
金銭的な褒賞よりも、
家族からも喜ばれる褒賞のほうがやる気につながります。
4-05で事業部、スタッフそれぞれのKPI(Key Performance Indicator / 重要業績評価指標)を作成しました。確かに、売上や利益率といった数値目標は評価しやすいですが、それぞれの生き方や働き方が多用化している今の時代では、売上や利益だけを追い求めていては、社長と社員のどちらにとっても、良い目標にはなりません。
自分は会社にも家族にも地域にも必要とされている、社会に広く貢献している会社で働き続けたい、といった個人の生き方や人生観につながる目標設定をすることが必要です。また、売上に対する表彰制度を設ける場合も、売上をより多くあげた社員だけを評価していては、いつも同じ人になるかもしれません。少数の優秀者だけでなく、会社を支える中心となる一般社員を広く評価する目標を設定します。
例えば、スタッフそれぞれが自分で作成したKPIを80%以上達成したら評価の対象としたり、社員それぞれの前年比や前月比の伸び率で評価したりします。やる気につながる褒賞も、必ずしも金銭が効果的ではありません。社員の家族やカップルで行ける旅行や食事券、パーティといった、家族からも喜ばれる褒賞のほうが、単純な金銭よりもインセンティブ(誘因)が高くなります。
4-07 仕事を見える化する
効率的に仕事を進めるために、
きちんとスケジュールを立てて実行しましょう。
2-02「社長の仕事」で作成したスケジュールを、社員にも作成してもらいましょう。最初に、各社員に自分の1週間の主な活動と時間比率を列挙してもらいます。次に、それぞれのデフォルトスケジュールの草案を作成します。仕事をより効率的に進めるには、きちんとスケジュールを立てて実行していくことが必要です。それには、
以上の3つを心がけることです。デフォルトスケジュールの草案ができたら、それを社内あるいは事業部内で公開します。1週間~1カ月程度運用して、より完全なスケジュールになるように改善します。少しゆとりを持てるように、スケジュールの中に、他の社員への対応時間や自分だけのワークオンの時間を設定しておきましょう。
4-06 採用マニュアルを使う
4時間、4つの採用方法で
会社に合う応募者をしぼりこんでいきます。
採用のポイント1は、単に採用広告ではなく、お客様へ商品やサービスの魅力を伝える広告と同じだと考えることです。「弊社に入社した場合、他の会社では得られないこんなベネフィット(恩恵、利益)を得られます。ぜひ弊社にいらしてください」と、あなたの会社の魅力をアピールしましょう。ポイント2は、自社のターゲットであるお客様層がよく利用する求人媒体を選びます。ポイント3は、スクリーニング(選別)です。応募を故意に難しくすることで、求職者のやる気をチェックします。例えば、メールで応募してもらい、「なぜこの職種に応募したのですか?」「あなたの長所を3つ教えてください」という質問の回答を依頼します。回答を動画で送ってもらうことで、さらに難易度があがります。ポイント4は、グループ説明会です。1時間目は、社長が会社のビジョンやミッションを説明します。2時間目は、社員が会社の行動規範や仕事の感想を述べます。終了後に15分休憩をとり、合わないと思った応募者には自由に帰ってもらいます。3時間目は、応募者の自己アピールと社員とのグループトークです。4時間目は、DISC分析とグループインタビューです。この4時間の説明会で自社に合う応募者にしぼっていきます。
4-05 評価基準を決める
社員ごとにやるべきアクション、数値に落とし込み、
各社員の業績評価基準にします。
KPI(Key Performance Indicator/重要業績評価指標)には、主に2つの目的があります。1つは会社のPDCA、Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Action(改善)を測定できるように数字で明確にすることです。
もう1つは、事業部ごとにKPIを設定することで、結果的に各社員の業績評価基準にもなるということです。しかし、もしも最初からKPIを社員の業績評価のためだけに作成しようとすると、会社のKPIと違う評価基準になる場合があるので注意が必要です。
最初に、あなたの会社の過去の財務諸表、昨年までの売上などを参考にしながら、今後数年間の会社の目標を設定します。これは、KPIに対して会社の方向性を示すので、KGI(Key Goal Indicator/重要目標達成指標)と呼ばれています。KGIで決めた方向性、目標を目指して事業部ごとのKPIを設定します。
例えば、昨年10%だった利益率を今後3年で14%にするというKGIを作成したとします。その場合の売上はいくらになるかを逆算します。仮に売上が増えても利益が減ったり、赤字であったりしては意味がありません。必ず利益から毎年の売上を逆算して決めていきます。この利益率14%というKGIを目指して、昨年の変動費や固定費とも比較しながら、年間と月間の財務諸表を作成します。
次に、その売上目標を達成するために、5つのKPI(リード数、成約率、取引回数、平均客単価、利益率)、デリバリーマップ、ワークフローなどをベースに、短期で測定できる具体的な各事業部のKPIを設定します。さらに、設定された事業部のKPIから、社員の役割分担ごとにやるべきアクション、数値に落とし込んで、各社員の業績評価基準にします。
この際に重要なのは、毎日の業務の中で簡単に進捗をチェックできること、チェックや報告に手間がかからない仕組みを作ることです。例えば、事業部のKPIは、事業部内の社員の目につきやすいホワイトボードに掲示し、社員自身が毎日のアクションの結果を書き込むようにするなど「見える化」して、各自の目標と現状を共有することです。そうやって毎日の社員のアクションの結果を事業部内で常にチェックすることでスケジュールどおり達成できているか、あるいはもっと改善が必要かを検証します。
また、KPIが見える化できたら、達成できた社員や事業部をどのように評価するのか、どのようなインセンティブ(報酬)、表彰制度があるのかも明確に示しておきましょう。
やるべきタスク
4-04 会議を改善する
常に会議の進行予定を明確にし、
時間の短縮、効率化を図りましょう。
会社の会議の5悪をご存知でしょうか?
1のように、全員が忙しいからと言って、会議を全く実施していない会社は意外に多いようです。あるいは、忙しいから参加者が会議を途中で何度も抜け出したり、欠席したりするので、ほとんど会議の体裁ができていない会社もあります。
2のように、会議をしても社長や役員など誰かが一方的に話すだけで、参加者全員で意見を出し合ったり、議論をしたりしないのであれば、それは会議とは言えません。
3のように、いろいろ議論をしても、意見がまとまらない。結果として何も決められないのであれば、雑談と同じです。また、議事録を作成しない、議事録はあっても参加者に送らないのであれば、会議結果が生かされないことになります。
4のように、仮に議事録を作成して共有しても、会議で決めたことを実行しないのであれば、会議は無駄だったことになります。会議に対するコスト意識や責任感が足りません。
5のように、会議でやるべきことが決まっても、その後の進捗状況を確認して実行しない、誰も責任をとらないのであれば、何を決めても無駄なので、会社全体のやる気が減退します。
このようなことにならないように、改善表を作成し、会議の棚卸しを行いましょう。会議名、会議の目的、関連する事業部、開催時間、開催頻度、参加するマネージャーとスタッフの名前、事前資料作成者とそれにかかる時間、1カ月当たりの開催コスト(会場費、参加者全員の時給などから算出)を書き出します。そのうえで、開催コストの多い順に会議を並べ替え、各会議それぞれの項目(目的、参加者、時間、費用)を見ながら、内容を検討します。例えば、毎週行っていた事業部会議を月2回に減らし、時間を1時間から30分にすることで、月80万円かかっていた費用を月20万円に圧縮できます。
なお、必ず事前に会議のアジェンダ(予定表)を作成し、参会者に通知しておきます。会議の目的と議案、決めるべき議題、進行予定(議案と議題の説明5分→各自の意見発表1人2分で合計20分→賛否の意見集約5分→議題の採決3分→総括3分→次回の確認3分で合計39分)など会議の進行予定を明確にしておくことで、時間の短縮、効率化につながります。
やるべきタスク
4-03 社員手帳を作る
毎日の業務を手帳に書いてチェックし、
実行する習慣を身に付けましょう。
社員手帳が見直されています。
会社の不祥事、社員やアルバイトのコンプライアンス(法令順守)意識の低下を背景に、会社の経営理念や行動指針を現場の社員に浸透させる方法として、年間を通して社員の意識を高められる社員手帳を復活させる企業が増えています。しかし、単に表紙に企業のロゴマークが入っただけの既製品の社員手帳ではなく、本当に社員にとって必要な手帳とするためには、それぞれの会社らしい工夫が必要です。
最初に、会社の行動原則、基本理念、ビジョン、就業規則、会社規定、倫理要綱、個人情報保護方針、緊急時の対応、社員が知っておくべき会社の情報、業務に役立つ専門用語や知識、コンプライアンス資料など、社員手帳の目的を決めて掲載するべきことを列挙しましょう。
必要があれば、弁護士や社労士など外部の専門家の意見も参考に内容を見直しながら、中身をまとめていきます。社員手帳の中身が固まったら社員へ公開し、手帳の中身を理解した社員からは、同意書をもらいます。そのうえで、社員手帳の配布と更新のタイミングを決め、1年間の中にスケジュール化します。
また、毎週の朝礼や社内会議、社内研修、年末年始の社長の挨拶、入社式などに、手帳を使って会社の目標やビジョンを説明したり、使い方を解説したりするなど、社内のコミュニケーションツールとして利用するのもおすすめです。
会社の業務に合ったオリジナルの社員手帳があれば、自社の年間スケジュールを前もって確認することができ、社員が予定を立てやすくなります。また、年間や月間の目標、週や日単位での予定を書くページがあれば、仕事における習慣・目標を1冊で管理できるようになります。年始に手帳を使って自分と会社のスケジュールと目標を連動させることで、毎日の業務の中で手帳に書いてチェックし、実行する習慣が身につきます。1年を通して使えば、公私の両面での成長や気付きがあるはずです。
定期的に社員手帳に関するアンケートを行い、それを基に表紙や中身、デザインを見直したり、環境に配慮した素材を使用したりと、手帳自体の魅力を高める試みも効果的です。
やるべきタスク