あなたの会社では今期、どれぐらいの見込み客が期待できると考えていますか?そうした見込み客にどうやってあなたの会社(商品)を売り込む予定ですか?まだあなたの会社(商品)を試したことのない見込み客、1度試したお客様に、リピートしてもらって、お客様との関係をより強化するためのオファー、セールスプランを作成しましょう。


最初に、顧客を獲得するためにどれだけのコストがかかっているかを計算します。例えば、1万枚のチラシを駅前で配布して新規顧客が10人獲得できたとします。チラシ作成と配布にかかったコストが10万円だったら、1人の顧客を獲得するのに1万円かかったことになります。この10人の顧客がそれぞれ5000円の商品を買っただけだと、売上は5000円×10人=5万円で、5万円の赤字です。しかし、この10人うち、8人のお客様がその後、何度もリピートしているとしたら、いずれ黒字に転換します。このように、見込み客あるいは1回だけ購入したお客様をどうやって何度もリピートしてくれるお客様へと移行できるかが売上を伸ばす鍵です。


初めてのお客様限定のお試し価格、1個購入したら次回は半額で購入できる割引券、初購入から半年間有効の20%と30%割引クーポン、再購入時にもらえるプチプレゼント、購入者限定セールなど、顧客の購買意欲を刺激するアイデアを列挙してみましょう。


初購入時にもらえるVIPカードでお買い物するほどお得になる仕組みなど、顧客をリピートさせる工夫、それにかかるコスト計算も忘れないでください。日常のオペレーションやイベントが多くなって、かえってスタッフの手間やコストが増えて、サービスの質が悪くなってしまったら、顧客離れを招いたり、売上が減ったりする原因にもなりかねません。何のためのオファーなのかを検討しましょう。


目的をスタッフに理解してもらえるようにオファーの資料を作成し、顧客にアピールするツール(割引券やカード)デザインを決めましょう。何となく始めるのではなく、実施の前にツールの配布方法、KPI(Key Performance Indicator/重要業績評価指標)をどのように測定するかも、あらかじめ決めておきます。


お客様との関係を強化する重要な計画ですから、失敗は許されません。プレセールなどで何度か試みて問題点を見直し、あなたの会社に合ったオファーを作成してから、本格的なセールを実施するのも1つの方法です。


やるべきタスク

1. 顧客獲得コストを計算する。
2. 購買意欲を刺激するオファーを列挙する。
3. オファー条件とオファー種類の各セットを列挙する。
4. オファー資料・ツール(割引券・カード等)の草案。
5. ツールの配布。
6. KPIレポート設定。
7. 本格的な実施。


あなたの会社のUSP(Unique Selling Proposition、独自性、優位点)は何ですか?なぜお客様があなたの会社の商品を選んでくれたのかをご存知ですか?逆に、あなたの会社の商品が選ばれなかった理由は何でしょうか?自社の強みと弱点を理解し、顧客がどのような要望、ニーズを持っているのかを知って、今後の会社(商品)戦略、顧客サービスのあり方を改善しましょう。そのための方法が、顧客調査であり、失注(なぜ注文がとれなかったか)の調査です。


最初に、アンケートの質問案を検討し、あなたの求めている情報、なぜ選んでくれたのか、なぜ選んでくれなかったのか、の理由を顧客から引き出すためのスクリプトを作成します。例えば、「今回お買い求めいただいた商品の価格5000円は、高い、安い、妥当、のどれでしょうか?」「高いとお答えのお客様におうかがいします。いくらぐらいが妥当だと思いますか?」「今回、8000円の商品をお買い求めいただけなかった理由は何ですか?」「どうすれば8000円の商品を買いたいと思いますか?」など、あなたが聞きたい情報をできるだけ具体的に尋ねるアンケート案を作成します。


次に、アンケートに答えてくださったお客様へのお礼を決めておきましょう。「いつもお買い求めいただいているお客様に特別なアンケートのお願い」「ご回答いただいたお客様に 50%割引券を進呈」「2000円の割引券」など、より積極的に回答していただくためのインセンティブ(誘因)を考えましょう。


アンケートの草案が固まったら、最初はエリアを限定して小規模で行い、その効果を測定し、アンケート内容など実施方法を調整、改善します。この微調整を行うことが調査の精度を高めるポイントです。それから実施期間や方法を決めて、アンケートを拡大して行います。回収したアンケートは、分析して必要な対策、改善計画を作成し、実施しましょう。


こうした顧客調査を通して、結果的に顧客満足度をあげることが重要です。顧客満足度は、あなたのビジネスが成功しているかどうかに大きく影響します。顧客満足度があがるほど、あなたのビジネスはより成功するでしょう。顧客は安易な妥協を許しません。いつもベストな価格とサービスを求めています。それらのすべてを提供することによって、顧客はリピーターになります。顧客調査はリピーターを増やすための重要な施策なのです。


やるべきタスク

1. 回収・分析・必要なアクションの検討と実施計画。

2. 使える情報を列挙、その情報を引き出すスクリプトを作成。

3. 配布方法と回答したお客様へのインセンティブを定義。

4. アンケートの草案を作成。

5. 調査を小規模実施、効果を測定し調整する。

6. 収集したデータの効果確認・調整。

7. アンケートを拡大配布。


起業しただけで、会社がうまくいくわけではないことは誰でも理解しています。人も会社も明確な目標、ビジョンがないとうまく行動できません。会社がどの方向に進もうとしているのか、会社のビジョンを明確にし、成功へのロードマップを作成しましょう。


綿密な計画は成功へのロードマップです。一生懸命働いても、それだけでは成功には至りません。あなたの時間、お金、エネルギーを最大限に活用する必要があります。スタッフの増員予定、新しいお店の開設計画、労働時間の短縮化の検討、サービスの拡大など、ビジネスを成功へ導くためのロードマップを作成する必要があります。


まずは、優先順位のカテゴリーを決めることです。カテゴリーは主に 3 つに分けることができます。ニーズ(必要性)、ウォンツ(欲求)、ビジョン(展望)です。


1)ニーズ(必要性)

ニーズは、ビジネスを継続するための最も重要な基本事項です。売上の確保、請求書の支払い、製品の入手、月々の利益の維持。これらはすべて、ビジネスを継続していくうえで必要なことです。ニーズは常に最優先事項です。


2)ウォンツ(欲求)

これは、あなたが達成しようとしている短期的な計画の動機です。あなたや社員が満足できる暮らしを送るためには、毎月どれぐらいの売上と利益が必要でしょうか? 正しい動機があれば良い結果につながります。


3)ビジョン(展望)

あなたのビジネスの方向性を示す長期的計画を含むカテゴリーです。ウォンツ(動機)とは異なり、社員のやる気を引き出し、あなたの会社の収益に大きな影響を与えることを意味します。社員は会社のビジョンを理解していますか? あなたは社員全員のビジョンに応えられる経営ビジョンを持っていますか? もしも会社のビジョンが明確でないなら、まずは草案を作成し、社内で良くディスカッションして、あなたの会社のビジョンを決めましょう。


ビジョンが決まったら、その実現のためにどういうウォンツ、ニーズが必要かを考え、30日後、60日後、90日後、1年後、3年後の具体的な実現度合いを決めて数値化しましょう。ビジョンを短期の数字目標に定量化することが社員のやる気になります。社員全員が理解したビジョン、成功へのロードマップがあることが、あらゆる場面でビジネスを支える重要な基盤となります。


やるべきタスク
1. 経営者が抱えるイライラや夢、自社の強みなどを列挙する。
2. ビジョン草案を作成する。
3. 社員に配布し、ディスカッションする。
4. ビジョンを固めて、営業資料や社内資料に反映する。


ルーチンワーク(仕事でいつも行う定型的な業務)は、会社やその人の業務内容によって異なります。例えば、出勤後、朝全員で体操をしたり、社訓を唱和したりすることになっていれば、それは職場での毎朝のルーチンワークです。あなたが営業課長で、毎週金曜日にその週の課の売上を上司の部長に報告する必要があるなら、それは課長であるあなたの毎週のルーチンワークになります。


ルーチンワークは、同じ会社の組織、部署でも、それぞれ異なる場合があります。また、特定の週、月にだけ発生するワークもあります。会社のワークにどんなものがあるか、社員それぞれにどのようなワークがあるのか、年間、月間、週間、1日ごとにマニュアルを作成しましょう。その出来上がったマニュアルをベースに、ルーチンワークができているかどうかをチェックします。できていないなら、どこに問題点があるかを検討して改善案を作成し、見直します。


年間、月間、週間、1日のルーチンワークのマニュアルがあって、きちんと行われていることが業務がスムーズに進行する基本です。また、このルーチンワークのマニュアルは、退職する社員の業務引き継ぎや、業務の外注化にも役立ちます。


今のあなたの業務はどのような流れで進行していますか? 仕事のデリバリーマップ(業務が発生してから終了するまでの一覧)を作成し、自分の業務をリワーク、見直しましょう。 


もしもあなたが営業なら、下の図のように、Quality(品質、品揃え)、Cost(利益、無駄)、Delivery(見た目、スピード)を縦軸に、業務の発生から終了までの行動を横軸に、デリバリーマップを作成してリワークすることで、あなたの業務の良い点や課題、無駄、改善点が明らかになります。 


例えば、毎回同じような質問や問い合わせがあるなら、Q&Aのシートにまとめて最初にお客様にお渡し、納品までのスケジュールが目で見てわかる見積書で説明します。お客様の希望や予算、希望商品を最初に記入してもらうことで、より正確な見積書が作成できます。他の人のデリバリーマップを参考に自分の業務をリワークするのも良い方法です。 

 初回挨拶 ヒアリング 見積 受注 納品 
Quality
品質、品揃え 
     
Cost
利益、無駄 
     
Delivery
見た目、
スピード 
     


パソコンやインターネット、社内LAN、コピー機・複合機が故障した時、どう対処すればいいのか、あなたは知っていますか? 一部の社員しか機器メンテナンスの知識がないため、その担当者がやって来て修理するまで仕事ができなくなってしまうことがありませんか? そういう場合に備えて、誰でも理解できる簡単な機器のメンテナンスマニュアルがあれば、無駄な時間ロスを防げるかもしれません。


例えば、プリンターのトナー交換用のマニュアルを作成し、課の社員全員が当番制で担当します。そうすれば、トナー交換に全員が対応できるようになります。パソコンのメンテナンスマニュアルを社員全員に配布し、同じタイミングで定期的にクリーニングや余分なファイルを削除することで、不具合の発生する割合を抑制できます。


マイクロソフトのWindows10の最終バージョンのサポートが2025年10月14日に終了します。サポート終了後は仕様変更や新機能追加がなくなり、セキュリティ更新プログラムも配布されません。使い続けるのは危険です。会社全体で早目にWindows11へのアップグレードやパソコンの買い替えなどの準備をしましょう。同時に、データの移行の仕方、保管場所やパソコンのマニュアルも見直しましょう。


オフィスに通勤しなくても、自宅やカフェなどのインターネット環境を使って仕事をするテレワーク(tele=離れた所と、work=働く、をあわせた造語)という働き方が拡がっています。専用で社内LANのつながるスポットオフィス、専用サテライト、数社の共同サテライト、レンタルオフィスなど、サテライトオフィス(勤務先以外のオフィススペース)も増えてきました。ITとテレワークを活用することで、社員は場所や時間にとらわれない働き方を実現できます。また、会社にとっても、テレワークを導入することで外注やアルバイト、在宅勤務者を雇用しやすくなり、無駄なオフィスや時間を節約できます。


例えば、妊娠・育児・介護などで家を離れられない人には、在宅勤務ができるテレワークを選択できることは大きなメリットです。実際、テレワーク制度を導入することで、女性の離職率を大幅に下げることに成功した会社も少なくありません。外周りの営業や顧客サポートがメインの営業職にとっても、オフィスに戻らずにモバイルワークできることは、時間を自分で組み立てることができるため、仕事とプライベートを両立しやすくなります。その反面、ITを使う際のセキュリティ管理、自宅や外出先での個人の時間管理が重要になります。


繁忙期と閑散期で必要なスタッフの数が違う場合、繁忙期には外注やバイトを増やし、閑散期には外注やバイトを減らすことで、固定費の大半を占める社員の数を年間を通して抑制できます。こうした外注の活用で効率化を図り、収益を改善しましょう。


あなたの会社の売上高はいくらですか?売上高は利益+固定費+変動費から成り立っています。固定費(不変費)とは、売上の増減にかかわらず発生する一定額の費用のことです。社員の給与などの人件費、地代家賃、水道光熱費、接待交際費、リース料、広告宣伝費、減価償却費などがこれです。変動費(可変費)とは、売上の増減によって変動する費用のことです。原材料費、仕入原価、販売手数料、消耗品費などです。


普通、人件費は固定費に分類されますが、繁忙期だけに採用する派遣社員やアルバイトの給料、残業手当は変動費と考えられます。財務諸表で固定比率(固定費÷売上)や変動費率(変動費÷売上)を分析します。変動費率が小さいなら、社内でまかないすぎです。アルバイトや残業の削減を検討しましょう。自分の業界の変動費率を把握し、適正な固定費と変動費をめざしましょう。


社会の高度情報化とビジネスの技術革新が激的な勢いで進む中、会社情報の共有化や社内コミュニケーションがますます重要になっています。最新のIT技術を駆使したさまざまなオンラインツールを活用することで、仕事の見える化と社員や顧客とのコミュニケーションの促進、無駄の排除、業務管理の一元化とコスト削減、情報共有を推進しましょう。ここでは、ビジネスですぐに役立つオンラインツールをいくつかご紹介します。


セミナーや会議をオンラインで開催できるZoomやビジネス向けに特化したチャットツールのSlackを使えば、いつでも、どこでも会話ができるので、移動時間や場所を確保する手間やコストを大幅に減らすことができます。しかも、仕事のチームやプロジェクトごとにグループを作れば、今の進捗状況をグループの全員で共有することもできます。


また、Chatworkのようにタスク(業務)管理やファイル共有のできるツールなら、会話の中から生まれたタスクを作成し、管理、情報共有することができます。依頼したタスクのやり忘れや漏れもなくなります。社員の今の状況が見えるようになると、お互いの理解が深まり、業務の円滑化・効率化を進めやすくなります。


見積・納品・請求書サービスMisocaは、見積書・納品書・請求書の作成から送付、管理までをクラウド上で行うことができます。これを使えば、面倒な請求書発行にかかる手間やコストを減らすことができます。

顧客からの問い合わせ窓口(チャネル)には、メール、Web のフォーム、X(旧Twitter)、Facebook、チャット、モバイルアプリ、電話などがあって、今まではそれぞれを立ち上げて確認し、そのチャネルで返答する必要がありました。しかし、カスタマーサポートサービスのZendeskなら、あらゆるチャネル対応を一元化できるので、問い合わせ内容を効率良く管理することができます。


スマートHRのようなクラウド人事労務ソフトを使えば、社員の社会保険や雇用保険、給与明細、年末調整といった労務管理をクラウド上で一元管理しながら効率化することができます。


メール配信サービスMailChimpは、メール配信の自動化だけでなく、送ったメルマガの開封数、クリック数、クリック率、どのリンクがクリック全体の何%を占めたか(メルマガ内の人気コンテンツ)といった面倒なレポートも自動化してくれます。


IT技術は日々進歩しています。あなたのビジネスに最新のビジネスツールを活かせないか、定期的に検討しましょう。


おすすめのオンラインツール

  1. オンライン会議開催:Zoom、Microsoft Teams
  2. ビジネス向けチャットサービス:Slack、Chatwork、Microsoft Teams
  3. 見積・納品・請求書サービス:Misoca、freee会計、マネーフォワード クラウド
  4. カスタマーサポートサービス:Zendesk、Freshdesk
  5. 人事労務管理の効率化:スマートHR、freee人事労務
  6. メール配信と管理の自動化:MailChimp、HubSpot、Markefan


あなたは、いつも誰からどんな報告を受けていますか? 課長や部長から「先月は営業部の成績がいつもより良かった」、「マーケ部門の読みどおり、CVR(Conversion Rate/商品の購入や申込み率)が上がってきました」、「最近、制作の努力で製造コストが減ってきました」などと、決まった形式や数値目標もないまま報告を受けていませんか?


会社の規模が大きくなるにつれて、きとんと社員を評価し、管理できる体制や評価のための報告ルールが必要になります。こうした体制が未整備のままだと、無駄な報告になり、各部署も社員もやる気が低下してしまいます。その結果、特定の社員や部署の負担が増えたり、会社全体のパフォーマンス、業績が低下したりすることになります。


会社の報告体制の整備として、まずは、部門ごとにどんなKPI(Key Performance Indicator/重要業績評価指標)が必要かを検討しましょう。KPIを導入する目的は主に2つあります。1つは業務の進捗の測定で、もう1つはその評価です。KPIのない会社は、まず測定のためにKPIを作るべきで、最初から評価のためのツールとして使ってはいけません。


来月の売上目標は1億円のように、売上や利益、課題の達成度を評価基準とするKGI(Key Goal Indicator/重要目標達成指標)に対して、KPIは業務を進行する際のパフォーマンスを評価基準としています。まずは適切なパフォーマンス量を一定期間測定して見直し、KPIが安定してから評価基準として使用しましょう。


例えば、5つのKPI(リード数/成約率/取引回数/平均客単価/利益率)について、マーケティング部はリード数、営業部は成約率と取引回数と平均客単価、制作部は利益率、と部署ごとに担当する数値を決めます。重用なのは、責任があいまいにならないように、評価基準となる数値1つに対して1つの部署が担当することです。各部署で4~5つの数値目標を作成します。営業部なら成約率、取引回数、平均客単価、訪問回数、マーケティングならリード数、PV(Page View)数、CVR(Conversion Rate/商品の購入や申込み数)、CTR(Click Through Rate/クリック率)などです。


KPIのメリットは、会社全体で共通の指標が用いられることで、各部署の責任が明確になることです。また、評価基準が客観的なので、各部署の社員に対する評価を公平に行うことができます。何より、KPIを見える数値化することで、社員のやる気が向上し、結果として全体のパフォーマンスが上がります。


やるべきタスク

  1. 部署ごとに、どんなKPIが必要かを検討する。
  2. 決めたKPIを導入し、一定期間測定する。
  3. いくつかの指標を試し、KPIが安定するように見直す。
  4. 会議で各部署のKPIを明確にし、統一する。
  5. KPI・報告体制・評価スケジュールを決める。
  6. 定期的に評価基準を見直し、KPIを改善する。