ActionCOACHジャーナル Vol.19(2-06 社員教育の時間削減)


経営者の観点から見た社員教育には、2つの目的があります。1つは、社員にその会社の一員としてふさわしい知識、規範、考え方を学んでもらい、会社を代表する社員になってもらうことで、会社の信頼性を向上させることです。もう1つは、仕事に役立つスキル、知識、手法を習得することで会社の業績アップを図ることです。


このように、会社が長期的に成長するためには、社員教育は欠かせません。では、あなたの会社では、社員教育をどのように行っていますか? 毎日の仕事が忙しいからといって、職場での実務教育OJT(On-The-Job Training)に頼っていませんか? マニュアルがないため、若手社員が辞めるたびに、次の新入社員に同じような指導を繰り返してはいませんか? すべての社員があなたの会社の理念を理解して、毎日、業務を行っていますか?


確かに、職務上の必要な知識やスキルを実務を通して指導するOJT は、社員教育に欠かせません。しかし、OJT だけでは、社会人としての知識、仕事のスキルを身に付けるまでには時間もコストもかかります。社員教育には、OJT 以外にも、研修、面談、推薦図書の配布、資格取得の支援など、さまざまな形式が考えられます。こうした従来の社員教育の形式と、最新のWeb サービス、YouTube やグループメッセージ、ビジネスチャット、クラウドサービスなども活用して、社員教育の時間とコストを長期的に削減しましょう。


例えば、OJT で教えたことを動画で記録しておいて、①新規顧客へのあいさつ、②見積書の算出方法、③見積書の書き方、④見積書の送付手順~のようにタイトルを付けて、誰でも見て学べるように研修動画を作成します。特に、教えても習得まで時間がかかること、個人差があって繰り返し教える、繰り返し練習が必要なことは、動画にして何度も見てもらうことで教育効果を高めることができます。


研修用動画は、対応する研修用マニュアルと関連づけてクラウド上の同じフォルダで管理すれば、各自が自由な時間や自分のペースで学習できます。ZOOM のようなネット会議を使えば、上司や先輩社員などの指導担当と複数の生徒が場所を気にせずに一緒に研修することができます。


研修用マニュアルの作成も、クラウドで管理して、関係者が分担して執筆したり、加筆訂正したりすることでより良いマニュアルにバージョンアップさせることができます。


やるべきタスク

  1. 社員教育に必要なマニュアルをリストアップする。
  2. 動画にできるマニュアルをリストアップする。
  3. 動画の作成スケジュールを決める。
  4. 出来上がった動画とテキストのマニュアルを関連づける。
  5. サーバーやクラウドで一元管理する。
  6. 運用中、気づいた修正点はすぐに動画やテキストに反映する。

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