2-03 社長の委任表
バトンタッチ(委任)して、
社長本来の仕事に集中できるようにしましょう。
2-1で時間管理のリストを作ってみると、自分以外の他のプロジェクトにいかに多くの時間を費やしているかに気づきます。社長の仕事の中にも、無駄な仕事、本来は社長がやるべきではない仕事、社長の時給に見合わない仕事がたくさんあります。もしも、そうした仕事を社長がいつまでもやっているとしたら、会社の成長にとってはかなりマイナスです。できるだけ早く誰かにバトンタッチ(委任)して、社長本来の仕事に集中できるようにしましょう。
この場合にバトンタッチする委任先としては、社員だけでなく、外注先やIT化も検討して、組み合わせて考える必要があります。例えば、決裁の必要な書類は電子化してクラウド上で電子署名で管理するようにして、社員→係長→課長で決裁する書類、部長で決裁する書類、取締役で決裁する書類、社長が決裁する書類と最終チェック者を分けます。
社長が決裁する以外の決裁書類については、重要度によって1週間単位や1カ月単位で決まった日時に結果報告だけを受けるようにすれば、社長がしっかりと目を通さなければならない書類が大幅に減ります。仮に英語が得意な社長だからといって、自分で翻訳していては社長の時給に見合いません。社員に依頼するか、一部を外注化すれば、実質的なコストを減らすことになります。このように、委任先を組み合わせることで、社長の委任の効果をより高めることができます。
まずは、誰に、どのように、いつまでに委任するのかを決めましょう。次に、その仕事を委任するためには何が必要かを検討します。仕事を丸投げするのではなく、何のために委任するのか、委任後はどのようにチェックして評価するのか、教育やマニュアルが必要か、完全に委任するまでに必要な項目をリストアップします。そのうえで、マニュアル作成の優先順位、難易度や重要度も考えながら作成のスケジュールを決めます。
社長に限らず、ある特定の人にしかできない仕事が多い、一部の社員に業務が偏っている会社というのは、各自の仕事の目的が不明確で、時間管理ができていない、社員教育体制が整っていないからです。教える手間やコストを惜しんでいては、いつまでも会社は同じ状況のままです。
委任できる仕事は権限を委譲し、毎日、または毎週のスケジュールの一部を固定化し、自分の仕事に専念してください。固定化した自分の時間には、他の仕事を入れません。自らの仕事に集中してください。
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