1-01 値上げを実施する
特別なコストをかけずにすぐに実行できて、
すぐに売上増を実現できる最も効果的なワザが値上げです。
「値上げだって?今のマーケット状況では無理だよ」と、あなたは頭から思い込んでいませんか?
しかし、コロナ禍を脱して景気は回復傾向にあり、消費者物価が緩やかに上昇し、人件費や仕入コストも年々増えていくことが見込まれているこの時期だからこそ、経営者としてのあなたは、会社をしっかりと成長させるために、できるだけ迅速に売上を伸ばして会社の利益率を上げることを真剣に検討する必要があります。
実際のところ、あなたは、5%の値上げをするだけで、結果として会社の利益がどれだけ増えるかをご存知でしょうか?
例えば、売上9億円で利益率8%の内装業者の年間の利益は約7200万円です。この会社が5%の値上げを実施できたら、売上は9億4500万円になります。総費用は売上9億円のときとほぼ同じ8億2800万円だとすると、利益は約1億1700万円、7200万円のときよりも約162.5%も増えるのです。
仮に、この内装業者が、取引先のマンション管理会社に今まで100万円の見積書と請求書を出していたとします。そして今回、人件費や仕入れコストの上昇を理由に、次回から105万円に値上げすることをお願いするのは非現実的ではありません。物価上昇の兆しが強くなっている昨今、十分に妥当な値上げです。同じように、新規顧客を含めた他の取引先にも5%の値上げを実施できれば、会社の経営は劇的に良くなります。
この場合の一番の問題は、「値上げすると注文が減って売上が減るのではないか?」「値上げを言い出すとお客様から反発されるかもしれない」という、何となくの不安、違和感、抵抗感を持っているあなたや社員のマインドではないでしょうか?
値上げを成功させるカギは、「うちの商品やサービスなら、〇%の値上げは可能だ」という意識をあなたや社員が共有できるかどうかです。そのためには、最近のマーケット状況や直近3期分の損益計算書(P/L)の状況を分析して、自分の会社はどれぐらい値上げできるかをきちんと数字で把握することです。
そして、その計算に基づいた具体的な数字を示しながら、関係する社員に値上げの意図と目的、その効果を理解してもらうことが大切です。
売上を上げて利益が増えればどういうメリットがあるのか、まずは役員、マネージャー間で共有しましょう。次に値上げ実施までに必要なことをリストにして、スケジュール化します。もちろん、リストとスケジュールは全員で共有しましょう。
やるべきタスク
1. 直近3期分のP/Lを分析する。
2. タスクに関連する社員に値上げの意図を伝え、理解を得る。
3. 〇%の値上げを実施する。
4. 月次決算し、P/Lへの影響を測定する。
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